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鹿児島で注文住宅を建てるなら耐震等級はどこまで必要?

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2024.09.05

画像出典:photoAC

住宅の耐震等級は、地震に対する建物の強さを示す指標です。最高等級である「耐震等級3」は大地震にも耐えられますが、コストと制約がつきます。しかし「耐震等級3」を選ぶと住宅ローン金利優遇や地震保険割引のメリットがあります。予算とニーズに合わせて検討し、安心と快適な住まいを実現しましょう。

耐震等級とはなにか?詳しく解説

耐震等級は、地震による建物の倒壊リスクを評価するための指標であり、日本では2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく制定です。
耐震等級は、ランクが3段階に分けられており、等級が上がるごとに建物の耐震性能が向上します​。

耐震等級1

建築基準法で定められている、最低限の耐震性能を満たす水準です。震度5程度の地震では、建物が損傷しないレベルの設計が必要です。


最低限の耐震性能ではありますすが、震度6強から7程度の地震に対しても、倒壊・崩壊しない強度を持つように設計されています。

規模の参考として、2016年に発生した熊本地震は震度7、阪神・淡路大震災の震度が6強から7程度です。

ただし震度6強から7程度の地震では、倒壊はせずとも損傷を受けることは許容されています。そのため、損傷具合によっては建て直しが必要な点には注意しましょう。

耐震等級2

等級1の1.25倍の耐震性能を持つ水準です。学校や病院、警察など、災害時に避難所として指定される公共施設は、耐震等級2以上を持つことが必須条件となっています。

個人の場合で考えると、「長期優良住宅」と認定されるために耐震等級2以上が必要です。長期優良住宅の認定を受けられれば、地震に対する安全性の確保とともに、税制優遇が受けられるメリットもあります。

耐震等級3

等級1の1.5倍の耐震性能を持つ水準です。住宅性能表示制度で定められている中で最も高いレベルの耐震性能を持っており、消防署・警察署など、災害時の拠点となる公共施設は耐震等級3で建てられている場合が多いです。

なお、耐震等級が上がるほど、耐震性能をあげるために柱や梁が太くなったり、窓などの開口部が小さくなるなどの制約がでてきます。そのためマンションなどは、間取り、デザイン性を優先しあえて耐震等級を上げずに建築する場合もあります。

注文住宅で耐震等級がどこまで必要?

避難所や拠点となる公共施設には高い耐震等級が要求されていますが、注文住宅の場合は最低限の耐震等級1を満たしていれば問題はありません。

しかし、地震の被害で倒壊してしまうリスクもあります。メリットとデメリットを比較して、自身のニーズに合った耐震等級を検討しましょう。

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安心を買うなら耐震等級3がおすすめ

耐震等級3は、震度6強や7程度の大きな地震でもほとんどダメージを受けない水準です。耐震等級2や1の建物が、損傷・倒壊して住み続けられない状況でも、耐えられます。

実際、2016年に発生した熊本地震(震度7が2回発生)の被害状況をまとめた国土交通省の資料によると、耐震等級3の建物のうち、87.5%が無被害、12.5%が軽微な損害であり、倒壊はゼロでした。

耐震等級3は、安心して住み続けたい場合に最適です。しかし、コストの問題や設計の制約などに応じて耐震等級2または1を選ぶことも適切な選択となる場合があります。

耐震等級3のメリット

・住宅ローンの金利優遇を受けられる

金融機関によっては、耐震等級3に対して金利を優遇することがあります。

・地震保険の割引率が大きくなる

地震による倒壊のリスクが少ないため、地震保険の割引率が高いです。等級1は10%、等級2の30%に対して、等級3は50%の割引が適用されます。

・売却時に高く売れやすい

耐震性の高さが証明されているため、倒壊のリスクが少ないです。資産価値が評価され、高く売れる可能性があります。

耐震等級3のデメリット

・建築にかかる期間が長くなる

耐震等級3の認定には、第三者評価機関による調査が必要になるため、その分だけ工期が長くなります。

・耐震等級3の認定に費用がかかる

構造計算、住宅性能評価、耐震補強の工事費などが必要です。

・希望の間取りに出来ない場合がある

耐震性能を満たすために、壁や柱を増やす場合や、予算の都合で希望の広さにできない場合があります。

耐震等級が高い家は高額?費用について

耐震等級が上がるほど、耐震性能を高めるための建材の使用、補強工事、書類の作成や認定にかかる検査費用などが必要です。

耐震等級3の家を建てる場合にかかる費用の目安をご紹介します。

耐震等級3の申請費用

構造計算、認定検査費用などを合わせて、約20万〜40万円が相場です。耐震等級3の認定を受けるためには、第三者機関が審査を行う必要がありますが、価格は依頼する会社によって異なります。

特に構造計算は外部委託する場合があり、委託会社によって変動するでしょう。

耐震補強の施工費

個別の状況によって異なりますが、建築費用が数十万円~数百万円の追加になる場合が多いです。

耐震等級1や2の基準で建物を作っていた場合などは、梁を太さを変える壁や柱を追加するなどの修正が必要になります。

建築会社との確認を忘れないようにしましょう。

耐震等級3の家にする場合は、申請費用に約20万~40万円、施工費で数百万円がかかる可能性があります。

住宅ローンの金利優遇や地震保険の割引などの費用面でのメリットも考え、バランスの取れた耐震等級を選択しましょう。


耐震等級は日本の住宅における地震対策の指標で、建物の耐震性能を評価する重要な要素です。等級は1から3までの3つに分かれ、高い等級ほど優れた耐震性を持ちます。耐震等級3は最高レベルで大きな地震にも耐え倒壊のリスクが極めて低いため、安心して暮らせる住宅です。ただし、高い耐震等級を得るためにはコストや設計の制約が伴うこともあります。

耐震等級3の家を建てる際には申請費用や施工費用がかかりますが、それに比べて住宅ローン金利の優遇や地震保険の割引率の向上など費用外のメリットも大きいです。また家を資産として考える場合、将来的に高く売れる可能性も考えられるでしょう。

最適な耐震等級を選ぶには、予算や設計の希望に合わせて検討することが重要です。安全性を最優先にするなら耐震等級3がおすすめですが、バランスを取りながら自身のニーズに合った選択をすることが家づくりで大切です。建物の地震に対する耐性を確保し、快適な住環境を築くために慎重な検討が必要でしょう。

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