平屋に必要な土地の広さとは?狭小地や変形地に建てるポイント
2024.06.27平屋を建てる際には、必要な土地の広さや形状についての理解が重要です。特に狭小地や変形地では、土地の特性を最大限に活かした間取り設計が求められます。一般的に、平屋の建築面積は家族の構成や生活スタイルによって異なりますが、最低でも約15坪から20坪程度が推奨されます。
狭小地であっても、上手に間取りを工夫することで開放感のある平屋を実現できます。建ぺい率や地域の規制も考慮しながら、快適な居住空間を確保するために設計段階から慎重に計画することが重要です。
鹿児島の土地価格と住宅面積の傾向
鹿児島県の土地価格はお手頃な値段であるのが特徴であり、住宅面積も全国的にみるとややコンパクトな傾向にあります。
◇全国的に見て鹿児島の土地価格は低め
全国の土地価格の平均が1㎡あたり148,801円なのに対し、鹿児島県の土地価格の平均は1㎡あたり27,300円となっています。この数値からみると全国的に見て鹿児島県の土地価格の平均が低めであり、リーズナブルといえるでしょう。
また鹿児島県内でも中心部である鹿児島市は令和3年の土地価格の平均が1㎡あたり90,500円で高く、同じ県内の奄美市などと比べても差があります。このことから鹿児島県では都市部と地方部で二極化が進んでいる事が分かります。
◇鹿児島の住宅面積は?
住宅面積については全国平均が111.01 m²なのに対し、鹿児島県の平均が95.78 m²であることから鹿児島県はやや狭い傾向にあることがいえるでしょう。また鹿児島市は77.64 m²で鹿児島県内でもより狭いことがわかります。
このように鹿児島県の中でも特に都市部は限られた住宅面積の中で家づくりをする傾向にあります。
平屋を建てるのに必要な広さは?
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平屋を建てるために土地を決める際には、暮らす人数を考慮した上で十分な広さの確保できる土地を選ぶことがポイントとなります。また土地の広さだけでなく、実際に土地に建てられる建築面積の上限で土地を選ぶことが後悔ない家づくりのためには必須となります。
◇暮らす人数によって必要な広さは異なる
平屋を建てる際に必要な土地の広さは、家族の構成や生活スタイルによって異なります。例えば、単身者の場合、最低限の快適な生活を送るには約15坪から20坪が推奨されます。これに対して、2人世帯では約20坪からの広さが適しており、広いリビングや2LDKの間取りが一般的です。
さらに、3人以上の家族では、約30坪からの広さが推奨されています。この広さでは、3LDKから5LDKの間取りが選択肢に入り、家族の成長や将来の変化に対応できるスペースが確保されます。
平屋の場合、2階建てと比較して床面積の確保が難しいため、建ぺい率や地域の規制も考慮しながら土地を選ぶ必要があります。都市型の誘導居住面積水準(約75平米/約23坪)を参考にすると、平屋の場合でも最低限必要な広さが把握できます。
建物の設計やライフスタイルに合わせて、快適な平屋の生活空間を実現するために、土地の広さを選ぶ際には慎重に検討することが重要です。
◇建ぺい率の考慮も必要
それぞれの土地には土地全体の面積に対してどれだけの割合の面積で建物を建てることが可能かを「建ぺい率」として上限が定められています。例えば100 m²の土地の建ぺい率が70パーセントであった場合、実際に建物を建てる際には70 m²が建築面積の上限となります。
このように土地を購入しても、土地の面積に対して100パーセントの面積の建物を建てることはできないので注意が必要です。
狭小地でも平屋が建てたい
狭小地であっても縦や横に広がりを持たせるように間取りの工夫を施すことで開放感のある魅力的な平屋を建てることが可能です。
◇平屋は広い土地でないと建てられない?
広い土地の方が設計しやすい平屋ですが、吹き抜けを設けて屋根形状を活かした高天井としたり、スキップフロアを設けるなど縦に工夫を施した設計とすることで、狭い土地でも伸びやかな空間を生み出すことが可能です。
さらに廊下をなくすなど間取りの無駄を省くことで平面的にもゆとりをもたせることができるでしょう。
◇狭小地で平屋を建てる際のポイント
狭小地で平屋を建てる際には、いかに狭さを感じさせない間取りにするかがポイントとなってきます。そこで、空間をできるだけ仕切らず、開放感を保つことが重要です。例えば、寝室や浴室など必要最低限のプライバシーを確保する場所以外は、壁や仕切りを極力減らしましょう。これにより、狭さを感じさせずに空間を広く見せることができます。
縦の空間を有効活用するために、ロフトやスキップフロアを考慮するのが有効です。これらの空間は収納や書斎、来客用のスペースとして利用でき、フレキシブルな間取りを実現します。特に収納スペースの確保が課題なので、上下関係をうまく利用しましょう。
天井を高くすることで、狭小空間でも開放感を演出できます。平屋の場合、2階部分がないため天井を高くしやすく、そこに天窓を設けることで自然光を取り込みながら、さらに広がりを感じさせることができます。
土地の形状を活かした平屋づくり
矩形でない形状をした土地の場合でも、土地の形状を活かした間取りとすることで、魅力的な注文住宅を計画することが可能です。
◇旗竿地に建てられた平屋
旗竿地は、道路に接する部分が細長く延びており、その奥に広がるまとまった敷地を持つ土地のことを指します。その形状が竿につけた旗のように見えることから、旗竿地と呼ばれています。
この特殊な土地形状は、周囲からの視線を遮りやすく、プライバシーを保つのに適しています。平屋を建てる際に旗竿地を活かす事例としては、以下のような特徴があります。例えば、大きな中庭を挟んで配置された和室や離れは、来客用としてだけでなく、家族やペットとの距離を取れる特別な空間として日常的に活用されます。
また、居室をキャットウォークで繋ぐ設計は、ペットの自由な行動を促進し、生活の柔軟性を高めます。さらに、勾配天井に配したハイサイドサッシや小屋裏を子供部屋として活用することで、将来の家族構成の変化にも対応可能です。
◇土地の特性を活かした家づくり
家の快適性は周辺環境や採光条件など様々な要素によって大きく左右されます。だからこそ狭小地や旗竿地などのような変形土地の場合は特に、敷地の特性を理解した上で間取りなどを考えることがとても重要となります。
これらの土地の特性を活かした家づくりをするためには設計担当者と密なコミュニケーションをとることが欠かせません。そして設計担当者とともに土地のメリットを考えつつコンセプトを固めていく必要があります。
さらに中庭が欲しい、生活動線を重視したいなどデザインに求めるポイントを明確にしながら、家族構成にあわせた間取りとすることで土地の魅力を最大限に引き出しながらオーナーの理想に高い家づくりをすることができるでしょう。
鹿児島県の土地価格は全国平均に比べて著しく低く、特に都市部では大幅な差があります。鹿児島市を例にすると、土地価格が全県平均よりも高くなる傾向がありますが、それでも全国的に見れば比較的リーズナブルな水準です。
一方、住宅面積については、鹿児島県全体でややコンパクトな傾向が見られます。全国平均が約111平米に対し、鹿児島県の平均は95平米程度であり、特に鹿児島市ではさらに狭い傾向が顕著です。
このような地域特性を考慮した上で、平屋を建てる際には、土地の形状や建ぺい率の制約、そして家族のニーズに合わせた機能的な設計が求められます。狭小地でも快適な生活空間を実現するために、設計の工夫が不可欠です。