注文住宅を建てるなら知りたい鹿児島の人気エリアと注意点
2024.06.28鹿児島県は、美しい自然環境と豊かな歴史文化を誇る地域であり、住む場所を選ぶ際には生活の利便性や快適さが重要なポイントとなります。特に鹿児島市、姶良市、霧島市などの都市部は人気が高く、地価も上昇傾向にあります。こちらでは、鹿児島の人気エリアと注文住宅を建てる際の注意点について詳しく解説します。
鹿児島の人気エリアと住みやすさ
鹿児島県は、美しい自然環境と豊かな歴史文化を誇る地域として知られています。住む場所を選ぶ際には、生活の利便性や快適さが重要なポイントとなります。鹿児島県の都市部エリアにあたる地域は人気が高く、地価も年々上昇傾向となっています。
◇鹿児島県の地価傾向
国土交通省による2024年1月1日時点の公示地価において、鹿児島市内の変動率は住宅地で0.7%、商業地で0.8%、3年連続で上昇していました。このように鹿児島市や奄美市、姶良市、瀬戸内町、龍郷町の地価は上昇傾向しています。
一方で、県全体では住宅地が26年連続、商業地が33年連続で下落傾向となっており、都市部と地方部の二極化が進んでいるといえるでしょう。
◇鹿児島の人気エリア
鹿児島県では特に県内中央部である姶良市、霧島市や中西部の鹿児島市が特に人気の高いエリアとなっています。まず姶良市は空港や新幹線発着駅へのアクセスの良さが魅力であり、ベッドタウンとして発展しています。
JRの駅が5ヶ所、インターチェンジが2ヶ所、スマートインターチェンジが1か所あり九州自動車道を有していることも大きなメリットとなるでしょう。また城下町として発展し現在は県庁所在地となっている鹿児島市は、桜島を望む景観が人気の観光地としても注目が集まっています。
そして霧島市は霧島山や霧島温泉郷、日当山温泉といった自然豊かな環境が魅力のエリアです。以上のような鹿児島県内の人気エリアは生活がしやすく、今後も人気を集め続けるでしょう。
鹿児島で注文住宅を建てる際の注意点
画像出典:フォトAC
鹿児島県内で注文住宅を建てる際には、風土や気候に配慮することが求められます。
◇火山灰による被害
桜島は約26,000年前に誕生し、当時は錦江湾に浮かぶ島でした。しかし、1914年の大正大噴火により大量の溶岩が流れ出し、桜島は大隅半島と繋がりました。現在も桜島は活発な火山活動を続けており、噴火が頻繁に発生しています。そのため、周辺の街は火山灰の被害を受けることがよくあります。
火山灰は非常に軽いため、風に乗って遠くまで運ばれることがあり、桜島だけでなく離れた地域でも被害が発生することがあります。鹿児島県には桜島を含む11の活火山があり、そのため地震や台風だけでなく、火山噴火のリスクにも注意が必要です。
◇寒暖差が激しい
鹿児島県は温暖なイメージを持たれることも多いですが、冬の寒さが厳しく、1年を通した寒暖差が激しいのが特徴です。冬季や春先には気温が非常に低くなり、寒さを感じることが多いです。
一方、夏は気温が高いだけでなく湿度も高く、蒸し暑さが特徴です。南部に比べて寒さが厳しい北部では、より一層の工夫が求められます。このため、鹿児島県で快適に過ごすためには、高断熱・高気密の住宅を選ぶことが重要です。また、風通しの良い設計にすることで、年間を通して快適な住環境を保つことができます。
◇離島の場合
鹿児島県内には28ヶ所もの有人離島があります。しかし離島で注文住宅を建てる場合には資材の運搬コストなどが加算される場合があるので注意しましょう。また建築会社によっては施工自体が難しい場合もあります。
このため離島での暮らしを望む場合は、施工エリアや費用を事前に確認することや、離島にあるメーカーに依頼するなど建築会社選びも重要なポイントとなります。
鹿児島で快適な注文住宅を建てるために
鹿児島県で注文住宅を建てる際には火山灰の影響を考慮した克灰住宅としての仕様や、間取りや建物性能にこだわることがポイントとなります。
◇克灰住宅
火山灰は健康に悪影響を与え、住宅の損傷や倒壊のリスクもあるため、火山灰から住宅を守るための「克灰住宅」が求められています。1989年に鹿児島県が設計マニュアルを作成し、普及が進められてきました。
克灰住宅は「火山灰の屋内侵入を防ぐ、屋根に灰が堆積しないようにする、灰の除去を容易にする」ことを目的としています。具体的には、火山灰の屋内侵入を防ぐために気密性の高いサッシや二重サッシを使用し、屋根形状を単純化して勾配を急にすることで灰の堆積を防ぎます。
また、屋内に物干し場やサンルームを設けて、洗濯物に付着した灰が住宅内に持ち込まれないようにしています。これにより、火山灰の被害を抑え、生活の安全と快適さを守ることができます。
◇住宅性能を重視
注文住宅を建てる際には住宅性能を重視しておくことで、長く快適に暮らし続けることが可能となります。注文住宅を建てた人がこだわった点のランキングによると、日常生活のしやすさにつながる間取りや生活動線が1位、2位で上位となっており、立地よりも重視されている傾向となっています。
また耐震・断熱性などの住宅性能も次いで3位、4位で上位となっていることから、最近の家づくりでは家本体の質を高めることが重視されているといえるでしょう。
引用元:LIFULL HOME’S調査
住宅性能が高い注文住宅の効果
高断熱・高気密の住宅は、寒暖差の激しい地域でも室内の温度を安定させ、エネルギー効率を向上させる効果があります。家族が暮らす住宅は、住宅性能を高く設定しておくことで何十年もの長い期間、快適かつ安全に暮らし続けることが可能です。
◇住宅で重要な3つの性能
注文住宅を建てる際に特に快適性に繋がるのが断熱・気密・耐震性です。まず断熱性は断熱材などによって建物内外の熱の出入りを抑えます。次に気密性は高気密サッシなどを採用することで高まります。
この断熱性と気密性を高めることによってエアコン効率が上がり、1年を通して快適な室温で暮らせるでしょう。また耐震性はより高い耐震等級の建物とすることで、大地震にも耐えることができる安心の住まいが実現します。
◇住宅性能が高い家の効果
住宅性能が高い家は外気の影響を受けづらく家全体の温度が安定しているため、夏は涼しく冬は暖かい暮らしができるのが大きなメリットでしょう。これにより温度差によるヒートショックの心配がなく、赤ちゃんから高齢者まで安心して暮らすことができます。
さらにカビの発生なども抑えられるため、喘息やアレルギーのリスクも低減するでしょう。
またエネルギー効率が高まるため光熱費を抑えられ、お財布にも優しいのも嬉しいポイントです。
鹿児島県は、美しい自然と豊かな文化で知られ、特に鹿児島市、姶良市、霧島市などが住みやすさで人気です。都市部の地価は上昇傾向にある一方、県全体では下落が続き、二極化が進んでいます。
注文住宅を建てる際には火山灰対策が重要で、克灰住宅は気密性の高いサッシや二重サッシを用い、屋根形状を工夫して灰の堆積を防ぎます。
また、寒暖差が激しいため、高断熱・高気密の住宅が求められます。 霧島市や姶良市のような自然豊かなエリアでは、風通しの良い設計も重要です。住宅性能を重視し、快適かつ安全な住まいを提供することが長期的な居住満足につながります。